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2007年7月17日 (火)

0054  156のエンジン~その5

2.0 リッター TS (ツインスパーク) ④

Ts_16v_155その優れたフィーリングから好評を得たアルミブロック版TSですが、コストやエンジンパーツ共用の関係からフィアット製ブロックの使用を余儀なくされます。
155のマイナーチェンジを境に投入された新型TSがそれで、フィアット製キャストスチール材ブロックへと腰下を変更します。
これはスーパーファイア系と呼ばれる物で、ボアをそのままにストローク変更と搭載ヘッドの組み合わせで多種エンジンに展開する、いわゆるモジュラー式ブロックの一種です。
さすがに2リッターではボアを1mm拡大しましたが、腰下の設計は他排気量やフィアット&ランチアと同一、アルファに与えられた唯一の自由はヘッドチューンのみだったことは容易に想像できます。

反面全てがマイナスという訳でもなく、アルミから鋳鉄へ変更されたことの重量ハンデと引き換えにスチールの高剛性と静粛性を得たアルファは、ミラノとトリノのハーフと評されながらもTSヘッドの改良を進めます。
幸いにもスーパーファイアブロックは小排気量系を念頭にショートストロークからロングストロークまでを想定した設計でした。
そのためストロークさせるのに充分なシリンダー長を確保し、ボア×ストロークはアルミブロック版に近い数値を与えることが出来ました。

このユニットにおける一番大きな仕様変更は8バルブから16バルブへの多バルブ化です。
より多量の混合ガスを送り込み、燃焼後は速やかに排出する・・・いわば自然吸気エンジンの定番とも言える方法です。
バルブレイアウトによりプラグ2本のセンター配置は難しくなりましたが、1本はセンター、もう1本はシリンダー端に逃がした小径タイプとすることで解決します。
8V版では圧縮後にプラグ2本の同時点火でしたが、16V版は圧縮後にメインプラグが、排気工程でサブプラグが点火する方式で、これにより以前のユニットに比べ排ガス対策の意味合いが大きくなったのも特徴と言えるでしょう。

155(後期)搭載版のTS 、スペックは以下の通りです。

    2.0 リッター TS (ツインスパーク)155後期 搭載版
        搭載時期 1995/6月 ~ 1998/12月(日本)
           材質 アルミヘッド+スチールブロック
      エンジン形式 直列4気筒 DOHC 16バルブ
         排気量 1969cc 
    ボア×ストローク 83.0mm × 91.0mm
         圧縮比 10 : 1
        最大出力 150ps/6200rpm (DIN)
        最大トルク 19.0kg-m/4000rpm (DIN)

このようにフィアット傘下での制約にもかかわらず、アルファエンジニア達の地道な努力によりTSは進化していきました。
彼らが如何に優秀な仕事をしたかは、バルブ面積の拡大や高回転域のパワーアップに伴なう中低速域の実質的な痩せが殆ど見られないことからも推測できます。
カム駆動形式はチェーンからベルト式に変更、バランスシャフトの改良も含めて静粛性やフリクションロスの低減を図っているのが分かります。
回転上昇時の爽快感はさらに増し、シャープな吹け上がりは芸術的なものに仕上がりました。


『82-Contents』 
http://homepage2.nifty.com/adachi82/index/indexmain.html
Alfa155、DUCATI 999s、etc.... カー&バイクライフを満喫されているRosso82さんのHP
トップページの美しさや構成デザインに思わず目を奪われるHPです。掲載写真の質も高くて一見の価値アリ!!


写真 【155(後期)搭載の16VスチールブロックTS】
    ※ Rosso82さんから御提供いただきました!
  

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